December 11-17, 2015 小原一真写真展「福島へ」

Kazuma Obara : Toward Fukushima

Exhibition of a photo journalist Kazuma Obara focused on Fukushima after the accident of nuclear power plant in 2011. 


2015年12月11日(金)~17日(木)[7日間]
12:00-20:00(最終日17:00)
会場:MORIHICO. Plantation  3Fグルニエ
   札幌市白石区菊水8条2丁目1-32
入場料:無料


小原は様々な理由で福島に関わることになった人々に焦点を当てながら原発事故後の福島の姿を伝えてきました。彼の写真には、事故の対応に追われる国や東京電力、自治体の動きを報道する目線とは異なり、人々の暮らしや仕事の変化を追いながら、現地に直接的に関わる人々へ寄り添う眼差しがあります。被災地の様子や収束作業の最前線に立つ作業員たちのポートレートをインタビューとともに収録した写真集『Reset Beyond Fukushima』は大きな注目を浴びました。その後も川内村の農家や飯舘村の牧場、警戒区域(帰宅困難区域)の様子など、人々の葛藤を見つめながら取材を重ねてきました。そのファインダーは1986年に同じく原発事故を経験したチェルノブイリにも向けられ、約30年にわたって収束作業を進めてきた町の姿も追っています。そこではどのような時間が流れてきたのか、学ぶべきことはないか。小原と同様に私たちも関心を持たずにはいられません。
ここに2011年から最近に至るまでの小原一真が取材で捉えてきた写真を紹介します。彼の伝える風景は、遠くにあって彼らを見守り心を痛める者たちの眼差しに連なるものです。この状況や影響を私たちがどう受け止め、考えたらよいのか。経験したことのない難しい状況に対峙するために、私たちはありったけのイマジネーションを働かせなければなりません。私たちは小原一真が示してくれる光景を手がかりに、コミュニティや距離を超えて共有できるものを見つけることから始めたいと思います。

○小原一真[フォトジャーナリスト]
1985年、岩手県生まれ。2011年の東日本大震災直後から東北沿岸部の取材を開始。福島第一原発内部の写真を撮影した写真はヨーロッパを中心に幅広く紹介された。その後、原発作業員のポートレートを撮影し2012年には写真集「Reset Beyond Fukushima」がスイスのLars Muller Publisherから出版される。2014年には太平洋戦争下で空襲の犠牲者となった子どもたちのその後を追った「silent histories」を手製写真集として自費出版。同写真集は米TIME紙、英Telegraph紙、Lens Cultureなど様々な媒体でBEST PHOTO BOOKS 2014に選ばれる。2015年1月より拠点をロンドンに移す。現在はウクライナのチェルノブイリで長期プロジェクトに取り組む。http://kazumaobara.com/

○関連イベント
ギャラリートーク
2015年12月12日(土)15:00-16:00
ゲスト:小原一真(ネット中継にてロンドンより参加)
聞き手:成田真由美(月輪会 代表)、大友恵理(本展コーディネーター)


主催:月輪会(がちりんかい)
共催:公益財団法人 北海道地域活動振興協会
後援:札幌市、札幌市教育委員会
協力:株式会社アトリエ・モリヒコ、露口啓二
コーディネーター:大友恵理
デザイン:ウリュウユウキ





○展示風景 installation view
   

 
Photo by Yuuki Uryu

○記事掲載
北海道新聞2015年12月9日(夕刊)
北海道新聞2015年12月12日(夕刊)「土曜直曲」
毎日新聞2015年12月9日(朝刊)催物案内
札歩路(北海道新聞朝刊折込)12月10日版